— Recent Essays —
— Featured Essay —
2026.05.25
·
約7 分
彼女は3年で100万円使った。——やめた理由は、当たったからだ。
妙な話に聞こえると思う。僕も最初に聞いたときはそう思った。
けれど、これから書く話を最後まで読んでほしい。——「当たったからやめた」という一文の意味が、たぶん最後には腑に落ちる。
「Mさん」と呼ばせてもらう
登場するのは、僕の知人だ。
便宜上「Mさん」と呼ぶ。30代後半、独身、都内で働くオフィスワーカー。——ごく普通の、真面目な人だ。
彼女は3年間、電話占いに月3万円を使い続けていた。——多いときは5万円を超えた月もある。トータルで100万円。この数字を彼女自身が把握したのは、やめようと決めたあとだった。
最初に断っておくと、Mさんは「占い依存症」と呼ばれるような極端な状態ではなかった。仕事は普通にできていた。貯金もあった。——ただ、毎月の支出の一番大きなカテゴリが「占い」だった、という状態。
それが3年続いた。
続きを読む
Phase 2
2026.05.24
·
約8 分
占いが「当たった」と感じる瞬間、脳の中で何が起きているのか。カーネマンが『ファスト&スロー』で描いた「認知的容易さ(cognitive ease)」というたった一つの鍵で、その錯覚の設計図を読み解く。
続きを読む
Phase 2
2026.05.23
·
約10 分
瞑想と聞くとお寺の座禅を思い浮かべる人が多い。しかしMBSRは1979年にマサチューセッツ大学医療センターで開発された、宗教性を抜いた8週間の臨床プログラムだ。座禅とMBSRの系統的違いを整理し、どちらも「脳内の雑音を消す」という一点で接続することを確認する。
続きを読む
パワーストーン
2026.05.22
·
約7 分
意味や効能を調べる前に、1つだけ決めたことがある。予算だ。初めてパワーストーンを買う人に、僕が先にやってほしい思考プロセスを一人称で書く。
続きを読む
Phase 2
2026.05.21
·
約9 分
恋愛運にローズクォーツ、金運にシトリン、仕事にタイガーアイ——気づけばポーチが重くなっている。石が悪いのではない。数が増えるほど「自分と石の関係」が薄まるという、消費心理の側の問題だ。Iyengar & Lepper のジャム実験、Schwartz の選択過剰、quantity fallacy を手がかりに、1個を深く持つという選択の合理性を書く。
続きを読む
アンカリング
2026.05.20
·
約7 分
10万円の石は、10万円分「効く」。ただし、効かせているのは価格だ。Tversky & Kahneman 1974のアンカリング効果から、高額パワーストーンの逆説を肯定する。
続きを読む
Phase 2
2026.05.19
·
約7 分
スピリチュアルは「運命」と言い、神経科学者サポルスキーも「自由意志はない」と言う。結論は似ていて、処方箋は違う。運命論に飲まれるのではなく、運命論を「自分の人生を理解する道具」として使い直す方法を、脳科学と一次体験から書いた。
続きを読む
Phase 2
2026.05.18
·
約16 分
「睡眠負債は取り戻せる」と「睡眠負債は嘘」——相反する二つの主張を、スタンフォード西野氏の定義とKillgore・Vohsの研究で検証する。週末寝だめでは返済不能・短期は段階的に取り戻せる、という二段の答えを一次体験と並べて書いた。
続きを読む